ISSN 1884-2135

情報システム学会誌
JISSJ Journal of the Information Systems Society of Japan

第22巻 第1号
Vol. 22, No. 1

[学会誌表紙]

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[巻頭言]

呼んでも来ない,それでも隣にいる ―― ネコとAIと,「なじみ」のこと

著者
佐藤 陽
表紙
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i-iii

[研究論文]

省電力サーバシステムと高可用性サーバシステムの複合動作による省電力かつ高可用性サーバシステムの開発

著者
北村 光芳,田中 龍馬
表紙
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要旨
単独で動作可能な省電力サーバシステム(Power-saving Server System: PSS)と高可用性サーバシステム(Ring-type Dynamic Backup Server System: RDBSS)を複合動作させることで,専用の管理サーバを必要としない省電力かつ高可用性サーバシステムを開発する.PSSとRDBSSの特徴,複合動作を実現する場合の問題点及びその解決方法を示す.また,PSS及びRDBSSの管理プログラムにおける動作効率の悪化を防ぐために,システムインタフェイス方式を採用する.本提案方式を採用した実験システムを構築し,サーバシステムの構成変更やサーバ故障を再現する実験を行い,PSSとRDBSSの単独及び複合動作時における処理時間の比較を行う.実験結果から,提案方式による省電力かつ高可用性サーバシステムが安定稼働することを示す.

1-16

[研究論文]

「分身型パーソナルAIエージェント」が購買意向に与える影響:自己同一性媒介モデルの情報システム論的実証

著者
小川 和也,土橋 宜典,松原 仁
表紙
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要旨
近年,デジタルプラットフォームにおけるパーソナライズ技術は進展しているものの,多くは外的属性に基づく最適化に留まり,ユーザーの心理的・内面的側面への踏み込みは十分とは言えない.本研究は,この課題に対し,ユーザー自身が「自分の分身と対話している」ように感じられる「分身型パーソナルAIエージェント(Personalized AI Agent:PAIA)」を新たな情報システムとして提案する. 本研究におけるPAIAは,外見的分身性(視覚的類似)による即時的な自己同一性の喚起と,内面的分身性(個性の反映)による反復的体験を通じた内面的整合性の累積という二層的構造を持つと仮定する.本研究の目的は,この分身性要因が自己同一性と購買意向に影響を与える自己同一性媒介モデルの妥当性を,独自に構築するPAIAの情報システムを通じて検証することである.

17-38

[研究論文]

The Determinants of Membership Subscription to Food Delivery Platforms under AI-Driven Dynamic Pricing: A Case Study in Taiwan

著者
Chen-Wei Ma
表紙
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要旨
2023年以降,台湾のデリバリー・プラットフォームでは,ピーク時間帯にダイナミック・プライシングが導入されている.一方で,会員プログラムへの加入により配送料が免除される.本研究では,配送料の不確実性が会員プログラムへの加入行動に及ぼす影響を検討した.不確実性回避,価格節約志向,知覚有用性,知覚価格公平性,社交性を独立変数とし,購買意図を媒介変数として分析を行った.分析の結果,知覚価格公平性は会員加入に対して正の影響を示した.また,購買意図は重要な媒介的役割を果たし,異なるタイプの媒介効果が確認された.本研究の結果は,台湾における非会員消費者のダイナミック・プライシングへの反応を明らかにするとともに,会員加入を左右する要因を示した.

39-50

[研究論文]

生成AI活用に関する内発的および外発的動機の評価-大企業と中小企業の比較-

著者
横田 修一
表紙
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要旨
本稿の目的は,日本企業の生成AIの活用促進となる可能性がある要因を明らかにすることである.そのために,モチベーションモデル(MM)を援用し,仮説設定した上でアンケートを行い,得られたデータを統計的に分析した.重回帰分析を行った結果,大企業で生成AIの「活用状況」に影響を与える要因は,外発的動機として「有用性」と「経営層の理解」,内発的動機として「楽しさ」であったのに対して,中小企業では,外発的動機として「経営層の理解」,内発的動機として「楽しさ」であり,大企業と中小企業で「活用状況」に影響を与える利用動機に違いがあることが明らかとなった.さらに,大企業と中小企業ともに,外発的動機としての「有用性」と内発的動機の「楽しさ」は,相関関係があることが明らかとなった.以上の知見に基づき,本学会が提唱する『人間中心の情報システム』の在り方について考察と提言を述べる.

51-61

[事例実践論文]

災害データ可視化サービス「DP Note」の開発と評価 ―平常時利用と精神的負担軽減に着目して―

著者
齋藤 仁志,白松 俊
表紙
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要旨
我が国は地震・津波・豪雨などの自然災害が頻発する災害大国であり,継続的な防災意識の向上が求められている.しかし,大規模災害後に高まった防災意識は時間の経過とともに低下する傾向がある.また,従来の災害情報,特に映像や写真は,一部の人に精神的負担を与える可能性がある.そこで本研究では,これらの課題に対応するため,災害データ可視化サービス「DP Note」を開発した.DP Noteは,過去の災害データを2Dおよび3Dで可視化し,平常時における災害教訓の学習,精神的負担の軽減,および次世代への知識継承を支援することを目的とする.評価として,多様な属性を持つ50名を対象にアンケート調査を実施した.その結果,有用性・機能性・操作性の各項目において8割以上の肯定的評価が得られた.また,年齢別およびステークホルダー別分析では,一般住民に加え自治体職員においても高い評価が確認された.さらに,自由記述では,3D可視化による理解のしやすさや精神的負担の少なさに関する意見が得られ,定量評価を補足する結果が得られた.以上より,DP Noteは災害情報理解支援と精神的負担軽減への配慮を両立する情報システムとしての有用性が示されたと考えられる.特に,平常時利用を前提とした災害データ可視化により,防災学習と災害教訓の継承を支援する点に本研究の意義がある.

62-75

[論説]

組織的サイバーハームの多次元性と人間を中心とした解決策

著者
蓮見 祥子
表紙
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要旨
本論説は,情報システム学会の掲げる「人間中心の情報システム」の理念に基づき,組織的サイバーハームを単なる技術的問題ではなく,人間・組織・社会の相互依存構造に根ざす多次元的現象として再定義するものである.従来のサイバーセキュリティは,機密性・完全性・可用性(CIA)を軸とした技術的防御に重点を置いてきたが,近年のインシデントは,人的・心理的・経済的・社会的影響を連鎖的に拡大させる複合的なサイバーハームとして顕在化している.本論説は,既存研究の批判的統合および日本事例の分析を通じて,サイバーハームの伝播構造,危機過程,および認知・関係・感情の三側面からなる中核構造を提示する.その上で,技術中心の防御モデルの限界を指摘し,人間の判断・行動・心理的回復を中核に据えた人間中心サイバーレジリエンスへの転換の必要性を論じる.さらに,インフラ層,ビジネスプロセス層,人間・文化層の三層構造に即して設計原則と実装戦略を提示し,実務および政策への応用可能性を示す.

76-88

[第21回情報システム学会 全国大会・研究発表大会]

社会―技術システムの倫理的デザイン

講演者
河島 茂生 氏(青山学院大学総合文化政策学部 准教授)
表紙
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89-102

奥付