情報システム学会 メールマガジン 2007.6.25 No.02-06 [1]

理事が語る
「現場SEの学会参加をお願いします」

金井一成(研究普及委員会)

 私は永らくメーカーのSEとして,お客様の情報システムの構築のお手伝いをしてきました。情報システム構築といっても,その手順の標準化は確立されていません。現場は日々手探りで行なっている状況です。その為,私自身沢山の失敗を重ねてきました。
 最近でも,銀行の合併に伴うシステムの混乱,飛行機のチケット発行システムのダウン,東証システムのトラブル,そして現在騒がれている年金システム(年金問題も,広い意味で情報システムの開発プロセスの問題と考える事も出来ます)等,大きな問題が発生しています。同じ構築でも,建築や土木の領域の技術は,例えば,三内丸山遺跡の掘立て柱から数えて5,000年,法隆寺からでも1,400年の歴史があります。

 翻って情報システムの世界は,コンピュータが生まれてから高々100年にも満たない浅い歴史です。構築技術が未熟なのは当たり前かもしれません。
 ただ,未熟だからと諦めるにはあまりに情報システムの,社会生活への関わりが大きすぎます。
 そこで情報システムの構築に直接関わっておられる現場のSEの方々,エンドユーザの方々,システムをマネジメントされるCIOの方々,経営者の方々そして学界,官界の専門家の方々が共通の場で課題について研究し,発表し,討論し,共有して課題解決の糸口を掴んでいければと考えております。

 当学会では,現場のSEやエンドユーザの方々がその経験を論文にまとめるための支援活動も積極的に行なっております。「産業界からの論文発表を促進するための研究会」(主査;高木理事)が中心になって進めており,今回の全国大会・研究発表大会(*)でも11月30日にワークショップを併設いたします。
 私と柏木直哉理事が担当させていただく「研究普及委員会」では,個人の研究の支援や研究テーマに応じたシンポジウムの開催・他学会との共催等を支援してまいります。
 SEの方々始め現場でシステム構築に携わっておられる方々が,数多く学会にご参加いただくことにより,技術や運用の経験の体系的な蓄積,標準化の立案,教育体型の構築等を会社や組織を超えて共有していけるでしょう。
 こうした経験や技術の蓄積,標準化,体系化を通じて,情報システム構築の環境を整備して,将来,一級建築士のように,情報システム技術者の地位も確立し,魅力ある職場への転換を図り,若い人が沢山参入してくることを願っています。
(*)全国大会・研究発表大会については、以下の[3]をご参照ください。


[3] 情報システム学会大会の案内
 「情報システムによる価値の創造〜地域からの挑戦〜」をテーマに, 第3回情報システム学会を11月30日(金),12月1日(土)の2日間, 新潟国際情報大学中央キャンパスにおいて開催いたします。 現在,会員から発表の申し込みを受け付けています。 大会テーマに関連した発表だけでなく,情報システムに関する広い範囲の発表も歓迎いたしますので,奮ってご応募くださいますようお願いいたします。

 本大会は特別セッションとして,大会テーマにもとづいた(1)「情報システムによる価値の創造」,および,新潟において近年災害が多く発生したことから(2)「災害と情報システム」を想定しております。また,行政と企業における災害時におけるリスク管理に関する特別講演を予定しております。
 演者は泉田裕彦新潟県知事と,今井辰夫 コロナIT企画室副部長です。

 詳細はこちら → http://www.issj.net/conf/issj2007/