ISSN 1884-2135

情報システム学会誌
JISSJ Journal of the Information Systems Society of Japan

第 15巻 第2号
Vol. 15, No. 2

[学会誌表紙]

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[巻頭言]

人生100年時代における本学会の役割

著者
小林 満男
表紙
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i-ii

[研究論文]

クチコミのソーシャルメディア別拡散特性の分析

著者
福田 浩至, 大曽根 匡
表紙
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要旨
ソーシャルメディアの普及とともに,ネット上のクチコミが企業などの組織やブランドに与える影響力が高まってきた.企業もその声を無視するのではなく,必要に応じて対策を講じることが必要となってきた.拡散した話題に対する評価や対応方針を決定する際には,拡散の形態や関心の論点などを考慮する必要がある.話題によって関心をもつユーザー層やクチコミの拡散形態も異なる.本論文では,企業に悪影響を及ぼすネガティブなクチコミが拡散する状況をソーシャルメディアの種類ごとに実データを使用して分析し,ソーシャルメディアの種類による拡散特性の傾向の違いについて考察する.

1-19

[事例実践論文]

企業の実課題を対象とした情報システム企画立案に関する授業実施と教育効果

著者
山田 耕嗣, 山田 悟, 杉本 展将, 佐田 幸宏
表紙
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要旨
本稿は大学の情報系学科にて,情報システム企画を学ぶ授業の具体内容と改善内容および教育効果について述べる.年間を通じ,企業と連携し企業の実課題を対象とした情報システム企画を行うもので,1年次の必修授業として2013年度より実施している.改善を続け2016年度からは前期「企画練習」,後期「企画実践」で構成している.「企画練習」は学生に身近な課題にて座学と演習を交え,繰り返し学習する.「企画実践」は学生に対し企業から直接企画課題を提示した上で,企画立案,企画書面作製,企業による選抜を受け,企業に対するプレゼンテーションを実施する.我々は授業の改善過程で人間中心の情報システム学としての位置付け,現実的な環境での実践的学習体験の価値を認識し,教育効果に客観性を求めるに至った.学習成果物評価により論理的かつ妥当性ならびに客観性のある結果が得られ,アクティブラーニング型授業効果調査により,学習動機の改善に寄与する結果が得られた.

20-33

[研究論文]

Development and Operation Experiment of a Power-saving, High-availability Server System by Compound Operation of a Power-saving Server System and a Multiple-server Backup System

著者
Mitsuyoshi KITAMURA, Youta SHIMIZU, and Koki TANI
表紙
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要旨
This paper describes the configuration of a power-saving and high-availability server system achieved by the compound operation of a power-saving server system (PSS) and a multiple-server backup system (MSBS) that can operate independently. The PSS shifts the system configuration to either a normal condition or a power-saving condition according to server loads. In the power-saving condition, the proposed method has two server configurations. In the first, the servers providing services to clients are configured redundantly, and in the second they are not. Furthermore, a dynamic server recovery system that manages real servers is proposed in addition to a dynamic backup server system (DBSS) that manages a virtual server in the MSBS. Therefore, if real servers have trouble, recovery operations are automatic and prevent access disruption for the client. In the compound operation, the MSBS needs status information on configuration changes in the server system made by the PSS, and the PSS needs to execute the DBSS during the configuration change. Thus, a system interface, which has the functions of bi-directional control of the PSS and MSBS, is proposed to enhance the functions of the management program in the PSS and MSBS. In addition, an experimental server system incorporating the proposed method was constructed. In the power-saving condition, the proposed system operated at 70% of power consumption of the normal condition when virtual servers were configured redundantly, and operated at 40% when a non-redundant configuration was used. Experiments were conducted to reproduce several types of trouble in the virtual server or the real server in a server configuration under both normal and power-saving conditions. The proposed system is shown to have high availability in either condition.
和文要旨
本論文では,独立して動作可能な省電力サーバシステム(PSS)と複合サーババックアップシステム(MSBS)の複合動作による省電力かつ高可用性サーバシステムの構築について示す.PSSはサーバの負荷に応じて,システム構成を通常状態または省電力状態に移行する.省電力状態において,提案システムはクライアントにサービスを提供するサーバが冗長化構成と非冗長化構成の2種類のサーバ構成としている.また,MSBSにおいて仮想サーバを管理対象とする動的バックアップサーバシステム(DBSS)に加え,実サーバを管理対象とする動的サーバ復旧システムを提案し,実サーバのトラブル時にその復旧処理を可能としている.この複合動作において,MSBSはPSSによるサーバシステムの構成変更に関する状態調査,PSSはその構成変更においてDBSSの実行処理が必要となる.そのため,MSBSからPSSに,PSSからMSBSに対する双方向通信のシステムインタフェースを提案し,PSSおよびMSBSにおける管理プログラムの機能を強化している.さらに,提案方式を採用した実験用サーバシステムを構築し,省電力状態で仮想サーバを冗長化構成とした場合は通常状態の70%,非冗長化構成とした場合は40%の電力で運用が可能であることを示す.通常状態および省電力状態において仮想サーバおよび実サーバに障害を再現させる実験を行い,いずれの状態においても提案システムは可用性が高いことを示している.

34-54

[第12回シンポジウム 基調講演]

AI社会実装における要件とAI技術の擦り合わせ

講演者
山口 高平 氏(慶応義塾大学 理工学部 教授)
表紙
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55-71

[第12回シンポジウム 基調講演]

通信理論から情報理論そしてAIですか

講演者
菅澤 喜男 氏(日本コンペティティブ・インテリジェンス協会名誉会長)
表紙
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72-89

[2019年 秋講演会]

機械学習・ディープラーニングの進展・普及と課題

講演者
山口 高平 氏(慶応義塾大学 理工学部 教授)
表紙
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90-105

奥付