第5回情報システム学会全国大会・研究発表大会
特別講演

臼井 支朗先生「脳科学とニューロインフォマティクス技術」詳細
松本 徹三先生「携帯端末と関連サービスの将来像」詳細

講演者

臼井 支朗先生(理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター長)

題目

脳科学とニューロインフォマティクス技術

概要

脳機能の解明は遺伝子工学から分子生物学、神経科学、情報科学、社会倫理に関わる総合科学であり、特に脳のシステム的理解を推進するにはそうした異なる分野の情報を一元化し、それぞれの分野の研究者が一体となって研究できる情報環境が必須である。ニューロインフォマティクス国際統合機構(INCF)はこうした意図の下に2005年に設立され、我が国も文科省の委託の下、理研・脳科学総合研究センターに日本ノードが立ち上がり、視覚科学、昆虫脳、脳イメージング、BMI、小脳、統合脳、動的脳などのプラットフォームが公開・運用されている。講演ではそうした概念と海外の状況、関連する情報基盤やツール開発・技術に関する現状を紹介する。


講演者

松本 徹三先生(ソフトバンクモバイル株式会社 取締役副社長)

題目

携帯端末と関連サービスの将来像

概要

情報通信サービスの競争の根幹は、「ユーザーの可処分時間の奪い合い」だが、その可処分時間の多くが「職場や家のような固定環境」以外のところにある事を考えれば、携帯通信の重要性は明らかである。この様な環境下では、ユーザーは「大きな機器」や「幾つもの機器」を携帯する事は出来ないから、一台で何役もこなせる「シンクライアント端末」と、それをサポートする「クラウド」、そしてその両者を結ぶ「高速通信ネットワーク」が有機的に結合して、ユーザーのあらゆるニーズに応えなければならない。このビジネスモデルは、多くのプレーヤーに様々なビジネスチャンスを与えるが、最終的には、その中の誰かがヘゲモニーを握ることになろう。