ISSN 1884-2135

情報システム学会誌
JISSJ Journal of the Information Systems Society of Japan

第19巻 第1号
Vol. 19, No. 1

[学会誌表紙]

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[巻頭言]

こども中心の情報システムとは
― こども政策の視点から ―

著者
池辺 正典
表紙
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i-ii

[研究論文]

工場モデルクラス図のためのアプリケーション内業務処理プロセスの順位決定法

著者
金田 重郎
表紙
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要旨
著者らは,概念データモデリングへの適用を狙いとして,「工場モデルクラス図」を提案している.工場モデルクラス図では,「独立クラス」から開始して,時間的進行に伴って,次々と起動される業務処理プロセスに対応したクラスを追記して行けば,クラス図が完成する.このため,工場モデルクラス図の作成に際しては,ターゲットAPを構成する業務処理プロセス相互の,時間的前後関係(半順序)を分析しておく必要がある.そこで,本論文では,業務処理プロセスの時間的前後関係の分析手法を提案する.提案手法は,独立クラスを業務処理プロセスのコンテキスト(文脈,背景)と見なす点に特徴がある.具体的には,以下の3ステップで分析を行う.(1) 最初に,ターゲットAPの仕様記述から「業務処理プロセス,及びそれに対応したクラス」を抽出し,併せて,独立クラスを抽出する.(2) 次に,業務処理プロセスを,独立クラス毎にグループ化して,グループ内部での時間的前後関係を決定する.(3) 最後に,グループ間に跨った時間的前後関係を明確化して,工場モデルクラス図を作成する.提案手法では,時間的前後関係の分析を2段階に分けたことにより,工場モデルクラス図を簡明かつシステマティックに作成できる.

1-18

[研究論文]

AR技術を用いて作業者を支援するツールの定量的な効果分析
― ポンプ分解作業を例として ―

著者
對馬 広大,宮地 英生
表紙
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要旨
AR技術やVR技術等を総称したXR技術を活用したITツールは,定性的な評価は行いやすい一方,実際の業務効率化に対する定量的な評価は行いづらく,これまでの既存の研究においても作成したツールの紹介や,定性的な評価を行っているだけに留まっているという課題があった.筆者らもXR技術の産業応用を進めるに当たって,定性的な評価だけではなく定量的な評価が必要であるという同様の課題を認識している.そこで,今回はAR技術を活用した遠隔支援ツールが作業時間へ与える効果を分析することを目的に,ポンプの分解作業を題材とした2つの実験を行った.その結果,今回題材とした作業においては指示を受け,その指示を理解して動き出すまでの時間を短縮することによって作業時間を短縮する効果があることが示唆された.

19-31

[研究論文]

幼稚園教職員が主導する情報システム構築モデル
実証実験と受容要因の考察

著者
山田 耕嗣,糟谷 咲子
表紙
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要旨
著者らは,幼稚園や保育園などの幼保施設教職員の業務改善に資する情報システム構築,導入及び運用に関する研究活動を進めてきた.この過程で,情報システムの利用者が自身の業務改善に寄与する情報システム構築モデルを提案した.このモデルの実証実験として,岐阜県の幼稚園で預かり保育の業務改善のための情報システムを構築,運用を支援してきた.1年余り経過し機能改善の要求が発出され機能を追加した.さらに1年後スマートウォッチを用いた機能改善の要求に対し,同幼稚園の教職員に知識を付与する方法で教職員自身での情報システム機能追加に至った.一方,このモデルによる情報システムの利用並びに構築の要因を,技術受容モデルに即し調査した.その結果,技術受容モデルの知見たる知覚された有用性が,情報システムの利用並びに構築を受容する要因である可能性があることがわかった.

32-51

[事例実践論文]

研究データ管理における検索機能の実装とその変遷

著者
菊地 伸治, 田辺 浩介, 坂本 浩一, 高田 安裕, 傳法 春樹, 門平 卓也, 谷藤 幹子
表紙
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要旨
研究データ管理において保持するデータの再利用を促すためには, そのデータに関するメタデータの記述充実度や検索の容易性が重要になる. 研究の専門性が高くなるほど, データ記述で利用される語彙やデータ構造は概念上の深化・特化が進むため, その概念が持つ意味合いを反映した問い合わせ処理の実現が必要になる. さらに, 先進性の高い研究データであるほど, 高い秘匿性が求められ,アクセス制御についても高度化が求められる. 本稿では研究データ管理のケーススタディとして, 国立研究開発法人物質・材料研究機構における研究データ管理(RDM)の機能要求の変遷と検索機能の進展に関して概説し, アーキテクチャを更新・拡張させる過程で実装された検索機能の二つの形態に関して多論点から比較評価を行い, 技術的妥当性に関する一つの示唆を述べる.

52-70

[論説]

何故Wikipediaは知の共通基盤として機能するのか

著者
西本 知貴
表紙
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要旨
オンライン百科事典Wikipediaは,英語版単独でさえ世界で13番目にアクセスされている.Wikipediaは,ある程度信頼に足る「知の共通基盤」であるとも言えよう.「ポスト真実」と呼ばれ誤情報に溢れる現代社会において,Wikipediaの編集過程はいかようなものなのか.本稿は,Wikipediaの編集過程を,従前の「実態的」解明ではなく,ネオ・サイバネティクス及び基礎情報学の議論を用いつつ「理論的」に解明を試みる点で新規性がある.本稿は次のように結論づける.Wikipediaはメメックス(memex:記憶拡張機)であり,各記事は自己組織化するHACS(階層的自律コミュニケーション・システム)である.Wikipediaのアーキテクチャは集団的知性を創発し,「擬似的な客観世界」を析出する.

71-83

[第18回全国大会・研究発表大会 特別講演]

安定思考の私が新潟に戻って起業した理由

講演者
立川 和行 氏(株式会社ユニークワン 代表取締役社長)
表紙
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84-92

[第18回全国大会・研究発表大会 特別講演]

起業家の力で,故郷を元気に

講演者
渋谷 修太 氏(フラー株式会社 代表取締役社長)
表紙
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93-103

奥付