情報システム学会 メールマガジン 2013.1.1 No.07-10 [1]

2013年 新年のご挨拶

情報システム学会 代表理事 副会長 伊藤重隆

 明けましておめでとうございます。本年が皆様に取り良い年である様にお祈り申し上げます。
 昨年12月16日は、衆議院選挙が行なわれ予想通り自民党は小選挙区で大勝し圧勝しました。民主党は、大敗し政権交代がされました。株価は、今後の金融緩和を先取りして連日、上昇しました。お隣の韓国では12月19日に大統領選挙が行なわれ朴候補が当選し、初めての女性大統領が生まれ世界の潮流を見る思いがします。衆議院選挙の選挙報道中、一部のテレビ局が当選確実誤情報を報道し陳謝しています。情報の正確性が大事であることが再認識された事象でした。2012年を振り返りますと、学会に取り大きな行事である全国大会・研究発表大会を12月1日に、シンポジウムを5月26日に盛況に終了しました。学会活動の一環である「社会への提言」については、アレキシサイミアの提言活動が朝日新聞夕刊(8月20日付)記事中に掲載され社会的に大きな関心のあることが判明しました。大きな事件としては、12月5日に初公判が開始されたAIJ投資顧問会社の巨額年金詐取事件がありました。年金運用が架空で運用実績報告が虚偽であったことが判明しました。運用実績報告情報に関しての信憑性、正確性が問われる事件であると思います。また、情報セキュリティの関係では、日常的な官庁、有名企業へのサイバー攻撃、金融機関でのインターネットを通じた不正送金詐取被害、遠隔操作ウィルス利用による警察の誤認逮捕等、情報システムに関する問題が複雑化しています。情報技術としては、先端技術ではありませんが、仮想システム利用の本格化、クラウドコンピューティング利用拡大、ビッグデータ等が話題となりました。マイクロソフト社からWINDOWS 8、アップル社からi-Phone5が発表されSNSの浸透が明確になりました。若い世代から幅広い世代に亘ってスマートホンを利用する姿は日常となりました。気のつかない内に情報システムを携帯していることになります。情報システムが保有する情報が正確で無い場合、例えば地図情報が誤っている場合、人間の行動が誤り事故につながることもあります。スマートホンと言えども情報システムとしての情報の正確性が問われるケースと思います。
 本年は、「癸巳(ミズノト)」です。「癸」は、中国の陰陽五行説によれば、水の弟で、「みずのと」、水の兄は陽で火ですが、意味は、「相手を抑える陰の関係である相剋、水剋火」と言われています。十二支の「巳」には、動物の「蛇」が当てられています。漢字の語源は、「胎児が子供をお腹の中で包み込む様を表わした」とされています。「蛇」は、悪魔の化身とも言われますが、一方で神の使いとも言われ弁財天の如く金運を恵まれるご利益があります。「蛇」は、脱皮に見る如く再生を意味します。これにあやかって本年は活力がないと言われている日本が再生する年になればと考える次第です。
 情報システムを意識する、意識しないに関わらず、益々、情報システムは社会に取り日常のことになっています。情報システムを社会に正確に理解してもらい活力ある安全、安心な社会にしたいと思います。学会として情報システムに関する啓蒙活動と共に情報・情報システムの基本的考え方を整理し日本の伝統芸能である能、狂言、歌舞伎では基本となっている「型」と同様なものを社会に示す時点が近づいていると思います。皆様のお考えは、如何でしょうか。人間活動から見た情報と情報システムを総合的に体系立てた情報システム学体系を研究し普及させる活動を粘り強く皆様と共に実行出来ればと考えます。
会員の皆様には、引き続き強力なご支援を是非、お願いします。
 本年を良い年にしたいと考えます。

2013年1月1日