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         情報システム学会 メールマガジン 臨時号
                 2012.8.30 No.07-06
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情報システム学会 会員各位
            一般社団法人 情報システム学会会長 杉野 隆

 情報システム学会名誉会員である浦 昭二先生には、病気ご療養中のとこ
ろ、去る8月16日に84歳で逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表しま
す。
 先生は1927年に東京でお生まれになり、1952年に東京大学工学部応用数学
科を卒業され、大学に残られて電子計算機のソフトウェアの研究にはいられ
ました。1957年に慶應義塾大学工学部計測工学科に助教授として迎えられ官
能検査に関する研究と普及に尽力されました。その後、1959年に創立された
管理工学科に異動され、教育と研究体制の確立にご尽力されました。管理工
学科では、ソフトウェア、プログラミング、数値計算、情報システム学の研
究と教育を進められました。1962年に教授に昇任されました。1962年に理学
博士の学位を授与されています。1993年に慶應義塾大学を定年退職され、名
誉教授の称号を授与されました。その後、新潟国際情報大学の創立に参画さ
れ、1994年創立と同時に情報文化学部教授・同学部長に就任されました。
1998年に新潟国際情報大学を定年退職され名誉教授の称号を授与されました。
1987〜8年度には情報処理学会副会長を務められ、また1996年に情報処理学
会の名誉会員となられました。
 先生は、研究ばかりでなく、教育にも情熱を持って取り組まれ、多数の研
究者、教育者、産業人を世に送り出されました。情報システム教育に関する
研究の成果の一つが、科学研究費補助金を得て1991-2年に浦先生が代表とし
て研究を指揮された「情報システムの教育体系の確立に関する総合的研究」
だと思います。情報システム学を、単に技術的体系としてのみ捉えるのでは
なく、“情報システムの概念的枠組みを明確にし、その社会的側面の考察を
深め、情報システムの企画、開発および運用・評価に関する実践的な知識・
技術の体系化を図ることをめざす”学問領域として定義されました。先生は,
1994年に新潟国際情報大学で情報システム学科を設立するに当たり,情報シ
ステム教育に関する研究成果を情報システム人材育成カリキュラムとして実
践に移されました。また、1995年には、情報処理学会誌に「情報システム学
の研究課題と方法」と題する特集を組まれ、情報システム学の確立に大きな
一歩を踏み出されました。引き続き1998年に、一般書として「情報システム
学へのいざない―人間活動と情報技術の調和を求めて」を出版され、情報シ
ステム学とその参照学問領域を規定し、「情報」と「システム」の視点に立
った新しい情報システム学のモデルカリキュラムを提案されました。
 先生は、情報システム学会のまさに生みの親ですが、その経緯を説明する
には、HIS研究会の歴史から始めねばなりません。
(哀悼文全文は・・http://www.issj.net/gaiyou/aitou-201208-su.html▲目次へ

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