ISSN 1884-2135

情報システム学会誌
JISSJ Journal of the Information Systems Society of Japan

第 16巻 第1号
Vol. 16, No. 1

[学会誌表紙]

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[巻頭言]

情報システムとニュー・ノーマル

著者
川野 喜一
表紙
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i-ii

[研究論文]

Development of File Management System for a Peer-to-Peer Method Server Management System

著者
Mitsuyoshi KITAMURA and Koki TANI
表紙
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要旨
Herein, a peer-to-peer (P2P) method server management system that does not require a dedicated management server is proposed as a way to construct a server system with high availability. In the P2P method, each management server uses a file server to share the management files required to manage their target servers and uses virtual server system data to recover server functions after failures. Hence, the P2P method is highly dependent on the file server when managing the server system, and the file server performance determines the number of targetservers that can be managed. With these points in mind, we propose two systems (a synchronous editing method that provides a file-sharing system and an original server method that provides a virtual server startup method) that do not require the use of a file server. We also outline their configurations and performance levels and then discuss solutions to the problems that are likely to occur during the introduction of those systems. Furthermore, we report on the construction of an experimental server system that can operate using both our proposed method and a conventional method, with which the server function recovery times of both methods were measured and compared. The results of our experiments show that, using our proposed method, it is possible to construct a P2P method server management system that does not require a file server, and that the server performance is improved by the improved recovery processing of server functions after failures. Furthermore, customers can receive higher quality services because adopting our proposed method results in an increase in server system availability.
和文要旨
高可用性サーバシステムを構築する方法として,特定の管理サーバを必要としないPeer-to-Peer(P2P)方式サーバ管理システムが提案されている.P2P方式では,各管理サーバがFileサーバを使用し,管理対象サーバを管理する上で必要となる管理ファイルや故障サーバの機能を復旧するために使用する仮想サーバのシステムデータを共有している.そのため,P2P方式ではサーバシステムの管理において,Fileサーバへの依存度が高く,管理対象のサーバ台数がFileサーバの性能によって決定されてしまう.そこで,Fileサーバを必要としない2つのシステム(ファイル共有システムとして同期的編集方式と仮想サーバの起動方式としてオリジナルサーバ方式)を提案し,それらの構造や性能を示すとともに,それらの導入時における問題点およびその解決方法を示す.また,提案方式およびFileサーバを使用する従来方式で動作可能な実験用サーバシステムを構築し,提案方式と従来方式におけるサーバ機能の復旧時間を測定して比較する.提案方式では,Fileサーバを使用しないP2P方式サーバ管理システムの構築が可能であり,サーバ機能の復旧処理において性能が向上することを示す.さらに,提案方式の採用により,サーバシステムの可用性が向上するため,ユーザはより高品質なサービスを受けることができる.

1-16

[研究論文]

ハッセ図構造を持つ実体関連モデルと正規形データベース

著者
金田 重郎, 井田 明男
表紙
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要旨
UMLクラス図・ER図を用いて,実体関連モデル(以下,ERM)を作成する概念データモデリングの重要性については論を待たない.本論文では,(1) 任意のERMは,1対多関連のみで構成されるERMに等価変換可能であること,(2) 1対多関連は,関係づけられたエンティティ間に,時間的前後関係を含意すること,を提起し,ERMが持つべき構造であるEADD(エンティティ・アクション従属ダイヤグラム)を用いたモデリング手法を提案する.EADDは,ハッセ図構造を有し,EADDをそのまま写し取ってERMを作成し,エンティティの属性部分を第3正規形にしておけば,当該ERMから生成される関係モデルのテーブルは第3正規形を満たす.この条件は逆も成り立つ.即ち,第3正規形の関係モデルデータベースが与えられた場合,データベースは,ハッセ図構造を持つERMになる.本論文は,(1) 任意の業務処理は,入力に該当するエンティティを時間的順序に従い加工してゆく「工場モデル」で表現できること,(2) 既約性を持つEADDとしてアクション群がモデル化できていれば,生成されるデータベースは第3正規性が保証されること,を示している.

17-29

[事例実践論文]

企業の実課題を対象とした情報システム企画立案に関する授業実施と教育効果(企画実践編)

著者
山田 耕嗣, 山田 悟, 杉本 展将, 佐田 幸宏
表紙
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要旨
本稿は大学の情報系学科にて,情報システム企画を学ぶ授業の具体内容と改善内容及び教育効果について述べた.1年次の必修として2013年度より実施している.企業と連携し当該企業の実課題を対象とする企画を立案し,それらを企業が選抜の上,学生が企業でプレゼンテーションを行うというビジネス現場で行われている活動を授業に取り入れた.本稿では企業との連携の要点及び授業実施内容を詳述した.さらにアクティブラーニング型授業効果調査により授業の効果を測定した.その結果,一般に実施されているアクティブラーニング型授業に比べ効果が高く,学生が授業に積極的に取り組むことで,企業からの選抜を得ることがわかった.

30-46

[第15回全国大会・研究発表大会 基調講演]

実世界に埋め込まれるAI

講演者
麻生 英樹 氏(産業技術総合研究所 人工知能研究センター 副研究センター長(講演時))
表紙
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47-59

[第15回全国大会・研究発表大会 基調講演]

人工知能として認識されない人工知能の埋め込まれる社会へ向けて

講演者
堀 浩一 氏(東京大学大学院 工学系研究科 教授)
表紙
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60-69

奥付