ISSN 1884-2135

情報システム学会誌
JISSJ Journal of the Information Systems Society of Japan

第 15巻 第1号
Vol. 15, No. 1

[学会誌表紙]

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[巻頭言]

IJCAI2019@マカオに参加して ~人を超えるAIから人中心のAIへ~

著者
山口 高平
表紙
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i-ii

[論文]

エンティティの存在従属分析のためのドメイン特化言語

著者
井田 明男, 金田 重郎, 森本 悠介
表紙
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要旨
企業情報システムでは,システム相互の連携のために分散台帳技術やWebサービスAPIの採用が増すにつれて,業務で管理すべきエンティティをリソースとして可視化し,組織間で合意し,交換していくことの重要性が増してきている.具体的には,業務ドメインの概念モデルを適切に設計,維持しながら,それを元にデータベースを構築したり,構築したDBにアクセスするためのAPIを提供していくことが開発者にとっての重要な責務となっている.概念モデルは従来,ER図やUMLクラス図などを用いて表記されてきた.これらの図は,人間にとっては読みやすいが,図そのものは機械可読ではなく,モデリングツールを用いたとしても,図から生成できるものは,RDBのCreate Table文,Java等のプログラム言語のclass定義のスケルトンコードレベルに限られている上に,作図そのものも手間のかかる作業である.その上,エンティティの主キーと外部キーを人間が手作業で定義しなければ ならない.本来,主キーはオブジェクトidと同様,インスタンスを識別できる,業務の都合で決して変更されることのないものでなければならず,外部キーは参照先への関連の種類によって自動的に導かれるものである.このようなものを人間がいちいち定義し,モデルの可読性を低下させることはナンセンスである.その上,自然キーを誤って主キーに採用してしまうリスクも組み込まれる.そこで,本論文では,記述が容易で,人間,機械ともに可読な,存在従属分析結果の概念モデルを記述することに特化したドメイン固有言語(DSL)を提案する.提案DSLは,試実装したコンパイラで処理することで,ドメインモデルのデータベース定義とそれらにアクセスするためのAPI仕様を得ることができる.また,提案DSLでは,エンティティの属性に履歴管理を指定することができ,履歴管理にはドキュメント指向のデータベースを併用する.本論文では,提案DSLの構文と要素および意味論について説明し,7つの例題を取上げてその記述性について確認した.

1-17

[論文]

知識チャンク再利用支援ツールを利用した教師ロボット連携授業システムの開発と評価

著者
森田 武史, 高橋 尚也, 小須田 瑞季, 山口 高平
表紙
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要旨
サービスロボットアプリケーション開発には多大なコストがかかっており,ロボットや人工知能技術の知識がない領域専門家でも容易にアプリケーションを開発可能なプラットフォームが求められている. サービスロボットアプリケーションの開発 を支援する ために, 著者らは統合知能アプリケーション開発プラットフォームPRINTEPSの研究開発を進めている.PRINTEPSでは,シナリオエディタを用いて実行主体ごとに業務プロセスのワークフローを記述することにより, ロボットを 実行可能なソースコード が 生成できる.シナリオエディタでは,ワークフロー全体また は個別の業務プロセスを再利用しながら,ワークフローを構築することができる.しかし,ワークフロー全体を再利用する場合には,再利用可能な箇所を同定し,目的に合わせて修正することは困難である.一方,個別の業務プロセスを再利用する場合には,業務プロセスの組み合わせ方を考えることが困難である. これらの 問題を解決するために,本研究では異種オントロジーに基づく知識チャンク再利用支援ツー ル を提案する.提案ツールは,事例ベース推論の枠組みを用いて,応用領域知識とロボット活用の観点から再利用可能なワークフローの部分を異種オントロジーに基づいて事例(知識チャンク)として蓄積し,知識チャンクの検索および再利用を支援する.提案ツールを利用して教師ロボット連携授業システムを開発し,ケーススタディを行なった.複数の小学校で行ってきた教師ロボット連携授業のワークフローを元に,教師知識,ロボット,知識チャンクに関するオントロジーを構築し,各種オントロジーに基づいて知識チャンクベースを構築した.公立小学校の教師2名 が 提案ツールを用いて, 理科の学習単元「振り子の運動」 関する ワークフローを作成し 教師ロボット連携授業を行った.教師と児童に対するアンケートより,提案ツールと教師ロボット連携授業システムの評価を行ない,その有用性を確認した.

18-37

[第14回全国大会・研究発表大会 基調講演]

ライフサイクルアセスメントから考える車と環境の共生

講演者
佐野 慶一郎 様
表紙
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38-48

奥付