情報システム学会 メールマガジン 2010.4.25 No.05-01 [5]

第4回懇話会 開催報告

企画委員会

1.開催日時  平成22年3月23日(火) 18時〜20時
2.場所    専修大学神田キャンパス 神田校舎7号館782教室
3.話題提供者 名和利男氏 (株)サイバーディフェンス研究所 上席分析官
4.出席者   20名
5.テーマ   最近のサイバー空間における事象の実情について

6.発表概要
 最近,インターネットの普及とともに,サイバー空間における脅威がリアル空間に重大な影響を及ぼす事例が増加している。昨年来日本でも大騒動になっているGumblar型攻撃については,大企業でもWebページの改ざん被害を受けており,組織におけるきちんとしたセキュリティ対策を採ることの重要性が改めて認識されている。また,DNSポイズニング,SQLインジェクション,フィッシング,パスワード盗聴,Bot攻撃,DDoS攻撃などさまざまな攻撃が次々に出現している。今回の懇話会では,2009年に発生したサイバー攻撃Cyber Attackのいくつかの事例について紹介された。1月のイスラエルがガザに対して行った鉛の棺作戦,及び6月のイラク大統領選挙に対するHacktivistたちの政治的抗議の応酬において実施された攻撃手法の紹介と,SNSサイトがサイバー攻撃の初心者を攻撃に勧誘するSNSサイトを開いていることが紹介された。7月に発生した韓国・米国に対するDDoS攻撃についてKISA(情報保護振興院)で分析された攻撃の実態など,メディアでは伝えられていない,具体的な攻撃手法の実態,その裏側で使用されている手口について詳しく解説された。また,米国や韓国などでは,サイバー攻撃の抑止のために専門技術者の育成に力を入れているが,日本では,サイバー危機に対応する専門技術者たちの組織内での位置づけが明確にされないためか,定着していないといった問題点についても指摘があった。

以上