第1回 研究発表大会

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      第1トラック: 「社会と情報システム」

情報システム投資の有効性を評価する上で、本稿は投資と効果の因果関係を精緻に証明することは当面困難であるとの立場から,合意形成(ゴール共有)型のアプローチを提言する.次に有効性評価基準を経営戦略遂行への貢献度とする視点を提示し,有効性評価のPDCAサイクル構築の必要性と計画段階での合意形成の重要性に言及する.またこの手法の実現には経営戦略を可視化するツールが必要とされること,そしてそこにバランス・スコア・カードを採用したことを述べ,提案手法の概要を紹介する.

発表者: 大井 正浩 (中央大学)

発表者: 栗山 敏 (IBMビジネスコンサルティングサービス

情報セキュリティ監査基準において、保証型監査が推奨された。しかし、内容的には公認会計士監査の形式に則ったガイドラインが示されただけであり、有効な監査モデルの構築は今後の課題である。ガイドラインの内容を吟味し、経営の視点からその問題点を明確にして、今後の、経営に役立つ本来の保証型監査のあるべき姿を検討する。

情報システム設計方法論は数多く存在するが、システム設計の品質を担保する決定的な方法論が確立しているとはいいがたい。本方法論は、システム工学的なアプローチではなく、情報システムの対象である企業経営の分析を元にしたアプローチを取る。方法論の理論の枠組みは「条件適応理論による企業情報システム機能選定方法論」として学位論文にまとめた。しかしながら、現実のシステム設計に適用するには、理論を具体化し、さらに、方法論としての機能を付加しなくはならない。本論においては、学位論文の要約と現実に適用可能な方法論の枠組みを述べる。

発表者: 隈 正雄 (筑波技術大学)

品質問題サイクル」から脱却するために,協力会社まで巻き込んで実践した「不具合を生成しない」活動は,上流工程からの「ゼロディフェクト」追求活動である。経営層の「正しいことを実践すべきだ」との主張は度々,挫折を経験する。命令によって人々は動機付けされないが,人的側面を考慮したプロセス改善の仕組みは人々を動機付けし,改善活動に向かわせる。本論文においては,情報システム品質の向上を目的に「プロセス改善の源は人間力にあり」との理念に基づいて実践した組織的な改善活動を取り上げ,人的側面の重要性とその効果について考察する。

発表者:関 弘充 (富士通)

 

 

 

情報システム開発は,多くのステークホルダーが様々な思いで参加するプロジェクトである。プロジェクトマネジャー(PM)は,プロジェクトを成功に導くために,各ステークホルダーのプロジェクトへの意識,姿勢,および,それらのプロジェクト過程における動的な変化を察知し,柔軟にプロジェクトを運用する必要がある。本発表では,あるシステム開発プロジェクトにおける各ステークホルダーの思いの変化を分析し,情報システム開発ベンダーの視点から見たPMの役割と,PMを支援する管理技術について考察する。

発表者:石井信明 (文教大学

社会システムは持続可能でなければならないが、それをデザインする場合、具体的かつ効果的な評価尺度が問題となる。本稿では、システム全体の時間と空間、評価尺度の指向性の内向と外向の組み合わせ計4ケースから、安全、共生、転生、公正を導出し、さらに、それら評価尺度の有効性と実効性を、最も単純な資源循環のマルコフ・ネットワークにモデル化した社会システムのデザインのケース・スタディにより、定量的ならびに定性的に明示した。

発表者: 河村 廣 (神戸大学名誉教授

日本の情報サービス産業に関する経済産業省、JISA、新潟県による公的な統計調査と、U.S. Census BureauおよびStatistic Canadaによる複数の情報サービス産業に関する統計調査を用いて日本と北米の基本構造の違いを検討した。その結果、北米では日本と比較すると情報サービス産業は3つの産業に分けて整理されている、4人以下のスモールサイズ企業が多い、海外取引が多い、R&D経費が多いと思われる、Software publisherの割合が多いといった違いが認められた

発表者: 高木義和 (新潟国際情報大学

情報化社会の本質は社会的に多くのデータや情報が相互に活用されることに留まらず、同時にそのプロセスの中で人々が創発的なコミュニケーションを行うことで新たなアイデアや作品が生み出されていくことでもある。本稿は情報ネットワーク上で流通するコンテンツの二次利用に関わる経済的な取引や著作権保護等の社会的課題を解決する社会情報モデルについて海外での動向等も視野に入れ今後のあるべき姿について考察することを目的にしている。

発表者:土方正夫(早稲田大学 )、深澤良彰(同左)、芦田良貴(同左)、    

     佐野元之(オープンテクノロジーズ)、酒寄保隆(同左)、鈴木重徳(同左)

チュータ,ウィザード,ヘルプなどのユーザ文書を,ユーザからの要求に応じオンラインで生成,表示するためのフレームワークを提案し,OpenOffice Calcについて実験的に実現した.提案方式は,ソフトウェアの開発段階からユーザ文書の作成に取り掛かれることから,従来のドキュメンテーション開発プロセスを全く変えることができる.また,ユーザのスキルレベルに応じて,文書の内容を動的に作成することができる.

発表者:品川一貴 (慶応大学)、平井航一(同左)、 山本喜一 (同左)

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